資産運用を長く続けていると、市場の値動きによって最初に決めた資産配分(アセットアロケーション)が次第に崩れてきます。この崩れを修正し、元の比率に戻す作業が「リバランス」です。
リバランスには、機械的に「時期」で決める方法と、資産の「ズレ」で決める方法がありますが、これらを賢く組み合わせるのが最も合理的です。具体的に注目すべき4つのチェックポイントは次の通りです。
1.「期間」によるリバランス(定時チェック)
感情を排除し、運用にリズムを作るための方法です。
・頻度:半年に1回、または1年に1回 「毎年○月」や「誕生日」など、特定の時期にチェックします。頻繁すぎる売買は、売買手数料や税金(譲渡益課税)が発生し、複利効果を阻害する可能性があります。個人投資家であれば、年1回程度のチェックがコスト面からも推奨されます。
2.「乖離(かいり)幅」によるリバランス(比率チェック)
市場が大きく動いた際、リスクを許容範囲内に戻すための方法です。
・「5%〜10%」のルール
目標比率から特定の資産クラスが一定以上(例:5%以上)ズレた場合にのみ動くというルールです。
例:日本株の目標比率が20%のとき、株価上昇で25%を超えたら、増えすぎた分を売却して他の資産を買う。
3.「ノーセル・リバランス」の検討(コスト・税金対策)
あえて「売らない」という選択肢です。特に課税口座(特定口座)で運用している場合に有効です。
・リターンを最大化する「追加入金」戦略
利益が出ている資産を売却すると、利益に対して約20%の税金がかかり、運用効率が落ちます。そこでおすすめなのが、リバランスの「ノーセル(売らない)」手法です。
方法:保有分を売るのではなく、毎月の積立金やボーナスなどの「新しい資金」を、比率が下がっている銘柄の購入に充てる。税金を払わずに比率を目標に近づけることができます。
4.「ライフイベント」によるリバランス
投資家自身の環境変化に合わせる、最も柔軟な調整です。
・リスク許容度の変化に応じる
一般的に「年齢を重ねるごとにリスクを抑える」と言われますが、重要なのは実生活との兼ね合いです。住宅購入や教育費の支払い、あるいは退職が近づいた際など、「大きなお金が必要になる時期」を見据えて、ポートフォリオ全体のリスクを抑える方向にシフトします。
【管理人の視点】リバランスは「リスク管理」と「実利」のバランス
私自身は、現在以下の2点を主眼にリバランスを考えています。
1. 特定資産への集中リスクの回避
現在、日本株(個別・ETF・投信)の合計が資産の約35〜40%を占めていますが、これを全世界株(オール・カントリー)の時価総額比率(約5%前後)へ段階的に近づけていく計画です。
2. 出口戦略を見据えた口座管理
退職後の社会保険料への影響を抑えるため、利益確定しても所得に算入されない「特定口座(源泉あり)」への集約を進めています。あえて一般口座から特定口座へ資産を移行させる作業も、広い意味でのリバランス(最適化)の一環です。
世間では「年齢とともに債券比率を上げるべき」といった定型的なアドバイスが溢れていますが、管理人は必ずしもそうは思いません。
リバランスは、あくまで「個人のリスク許容度」に基づき、「運用効率(税コスト等)の最大化」を目指して、年1回程度実施すれば十分。それが、長く投資を続けるための「最適解」ではないでしょうか。