「会社が奨励しているから」「奨励金がつくから」という理由で、持株会に資産の大部分を預けてはいませんか?
管理人はかつて、約20年間にわたり親会社の持株会へ全力で出資していました。当時はそれが「賢い貯蓄術」だと信じて疑わなかったのです。しかし今振り返ると、それは非常に危うい「綱渡り」の投資でした。
今回は、実体験をもとに持株会との「正しい距離感」についてお伝えします。
管理人が「給与の3分の1」を持株会に投じていた理由
当時、規約上限である基本給の1/3を持株会に回していました。 その背景には、以下のようなメリットと過信があったからです。
・5〜7%の強力な奨励金:
預金金利が期待できない時代に、これだけの給付は圧倒的に有利に見えました。
・「親会社なら大丈夫」という根拠のない自信:
子会社勤務だった管理人は、「自社が倒産しても、大企業である親会社が潰れるはずがない」と考えていました。
・貯蓄=持株会という思考停止:
手元に現金はほとんどなく、資産のほぼ100%を持株会が占めている状態でした。
結果的に、転職時に株式を個人口座へ移し、大きな損失なく終えることができましたが、これは単に「運が良かっただけ」に過ぎません。
「給与」と「資産」を同じカゴに盛るリスク
なぜ、持株会への過度な依存が危険なのでしょうか。それは、「自分の労働価値(給与・退職金)」と「金融資産」を同じ会社という一つのカゴに盛っているからです。
もし親会社が経営危機に陥れば、以下の事態が同時に起こります。
1. 毎月の給与カットやボーナスの消失
2. 最悪の場合、失職(労働所得の喪失)
3. 持株会で積み上げた資産の暴落、あるいは紙屑化
昭和世代であれば、1997年の山一證券の破綻を鮮明に覚えているでしょう。四大証券の一角として盤石に見えた企業でさえ、簿外債務の発覚から瞬く間に自主廃業へと追い込まれました。 「大企業だから安心」という神話は、現代の不透明な経済状況下では通用しません。
管理人が考える「持株会」との適切な付き合い方
持株会は、奨励金というメリットがある反面、「合理的ではない集中投資」になりがちです。資産運用においては、リスクの高さに応じて保有比率をコントロールするのが鉄則です。
・ビットコインなどの投機的資産: 資産の2%程度まで
・ゴールド(金)などの非生産資産: 資産の10%程度まで
持株会もこれらと同様に、特定の個別株リスクを抱える投資です。たとえ自社の成長を信じていても、基本給の5%以下、金額にして毎月1〜2万円程度に抑えるのが賢明な判断ではないでしょうか。
◎まとめ:期待はしても、依存はしない
持株会は、リスクを抑えた範囲内で利用すれば、自社の成長を応援する素晴らしいモチベーションアップの手段になります。
しかし、資産運用の基本はあくまで「分散」です。万が一の事態から自分と家族を守るために、持株会一辺倒ではなく、現金やインデックスファンドなど、会社とは切り離された資産を築くことを強くお勧めします。