ドルコスト平均法の「真意」を読み解く—それは魔法の杖か、それともただの習慣か

沿って | 2026年1月8日
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投資の世界で必ず耳にする「ドルコスト平均法」。 一般的によく語られる説明は、次のようなものです。
「価格が安いときには多く、高いときには少なく買い付ける。だから、平均購入単価が自然に抑えられ、有利に投資ができる」
果たして、この説明は本当に正しいのでしょうか?

「平均単価が下がる」の落とし穴
結論から言えば、ドルコスト平均法が「常に有利」というのは誤解です。 数学的・統計的な観点(ランダムウォーク理論)に立てば、ドルコスト平均法は「得でも損でもない」というのがフェアな答えです。
この手法が効果を発揮するのは、価格が激しく上下動(ボックス圏での動き)をした場合に限られます。

・右肩上がりの相場:
最初に一括投資した方が、安値で多くの数量を確保できるため、積立投資は収益で劣ります。

・右肩下がりの相場:
買い増すほど損失が拡大するため、手法に関わらずマイナスです。

「平均単価が抑えられる」という説明が氾濫している背景には、少額からでも投資を始めてほしい、あるいは継続してほしいという業界側の「ご都合主義」的な側面があることは否定できません。

なぜ、それでも「積立」が有効なのか
では、ドルコスト平均法に意味はないのでしょうか?管理人はそうは思いません。この手法の真の価値は、計算上の有利さではなく、「実行の継続性」にあります。

1.資金効率の最適化:
私たち多くの個人投資家にとって、最初から一括投資できる潤沢な資金があるケースは稀です。毎月の給与から資金を投じる「積立」は、現実的かつ合理的な資産形成の手段です。

2.感情の排除:
「今が底か、天井か」を判断するのはプロでも困難です。ドルコスト平均法に従うことで、市場のノイズに惑わされず、淡々と投資を継続できます。

忘れてはならない「リスク」の本質
最後に、注意すべき点があります。「ドルコスト平均法だからリスクが低い」という誤解です。 積立期間が長くなり、投資総額(元本)が大きくなれば、価格変動による損益の振れ幅(リスク)も当然大きくなります。
ドルコスト平均法は「入り口」を分ける手法に過ぎず、出口における暴落のリスクを消し去るものではありません。

まとめ
業界のキャッチコピーに踊らされる必要はありません。 ドルコスト平均法の真意とは、平均単価を下げる裏技ではなく、「誰よりも長く市場に居続け、資産を積み上げるための規律」です。
大事なのは、手法の限界を理解した上で、自分のライフプランに合わせた投資を淡々と継続すること。それこそが、長期投資で成功するための唯一の道なのです。

著者: こみや

1959年生まれ。雇用延長で働く、しがないサラリーマンを66歳で卒業。 これから人生後半・第4コーナーに突入です。

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