前回の記事で、最新AI(Gemini 3)から驚くほど精度の高い提案を引き出したとお伝えしました。その鍵となった4,144文字のプロンプト。一体何を書き込んだのか?
AIから「教科書通りの回答」ではなく「あなた専用の回答」を引き出すための、プロンプト構成の全貌を公開します。
プロンプトを構成する「5つの柱」
AIに最高の提案をさせるには、情報の「量」だけでなく「構造」が重要です。管理人は以下の5つのセクションに分けて情報を整理しました。
1.プロフィールの詳細化(属性情報)
単に「退職した」だけでなく、生活の背景を徹底的に数値化します。
・家計データ: 現在の金融資産内訳、退職金、予定される年金額、月々の固定費・変動費。
・時間軸: 現在の年齢、想定される寿命(リスク許容度に関わる)、相続の意向の有無。
2.投資哲学と「こだわり」の言語化
AIが最も「人間味のある提案」をしてくるのはこの部分です。
・投資スタンス:「効率重視だが、ワクワクも欲しい」「特定の業界(商社など)に愛着がある」。
・NG事項:「この銘柄は過去に失敗したので避けたい」「複雑な仕組み債は不要」など。
3.具体的な「制約条件」の提示
AIが現実的な計算をするための縛りを作ります。
・新NISAの活用方針:「最短5年で枠を埋めたい」「成長投資枠の使い方」など。
・キャッシュフロー:「毎月いくら分配金・配当が欲しいか」という具体的な目標金額。
4.AIへの「役割」と「振る舞い」の指定
ここが重要です。AIに「世界トップクラスの独立系FP(IFA)」として振る舞うよう指示します。
・「忖度なしで批判してほしい」「行動ファイナンスの知見を取り入れて提案してほしい」といったトーンの指定です。
5.出力フォーマットの指定
・「まず結論を書き、その後に具体的な銘柄構成案、最後に移行手順をステップバイステップで提示して」と、自分が読みやすい形式を指定します。
なぜ「4,000文字」を超えるのか?(精度の秘密)
文字数が膨らんだ理由は、AIとの「対話のリテイク」をプロンプトに組み込んだからです。一度AIから返ってきた回答に対して、「この部分はリスクを取りすぎ」「この銘柄は好きではない」と感じた修正点を、次回のプロンプトの「前提条件」としてどんどん追記していきました。
「過去の自分の違和感」をすべて飲み込ませることで、プロンプトは磨かれ、最終的に4,000文字を超える「究極の指示書」へと進化したのです。
◎これから試す方へのアドバイス
最初から数千文字書く必要はありません。まずは以下の手順で始めてみてください。
1.箇条書きで自分の現状を書き出す。
2.AIに一度ぶつけてみる。
3.返ってきた回答の「気に入らない点」を特定し、それを「追加条件」として書き足す。
これを繰り返すと、自然とプロンプトは厚みを増し、AIはあなた以上にあなたの資産状況を理解する「分身」になっていきます。