「ライフイベントに合わせた運用」「目的別のお金の色分け」「最適な商品選び……」
これは、ある銀行の投資信託販売サイトに並んでいるキャッチコピーです。 昔からよく聞く「お金の色分け」という考え方。確かに子供の頃、目的別に貯金箱を分けてお小遣いを貯めた経験がある方も多いでしょう。しかし、効率的な資産運用という観点から見れば、管理人はこの「色分け」は全く不要だと考えています。
なぜ「色分け」は不要なのか
もちろん、半年分程度の生活防衛資金を現金(預金)として確保しておくことは大前提です。しかし、それ以外のお金を「教育費」「老後資金」といった枠組みで細かく区分けし、それぞれに異なる運用商品を用意する必要はありません。
本来、資産運用で考えるべきことはシンプルです。 「自分自身の最大のリスク許容度」に基づき、以下の2つの比率を調整するだけで事足ります。
1. リスク資産: eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など
2. 安全資産: 現金(預金)、個人向け国債(変動10年)
金融機関が「色分け」を勧める裏の事情
一方、銀行などの販売サイトでは、目的別に次のようなシナリオを提示しがちです。
・ 教育資金: 元本確保を謳う「学資保険」
・ 老後資金: リスクを抑えた(ように見える)「バランスファンド」
・ 余裕資金: 高いリターンを狙う「アクティブファンド」
しかし、これらは投資家にとって有利な商品というより、販売側にとって「手数料が見込める」有利な商品であることが少なくありません。 学資保険は流動性が低く、バランスファンドやアクティブファンドは信託報酬(コスト)が高く設定されています。自分自身のリスク許容度さえ把握できていれば、こうした複雑な商品に頼らずとも、極めて低コストで合理的な運用を一人で始められるのです。
リスクを「数字」で捉える
管理人が自身の「リスク許容度」を測る際は、具体的な数字を想定しています。 例えば投資信託(株式100%)であれば、「数年に一度、最大で35%程度の下落が起こる」というシナリオです。その時の含み損に精神的・家計的に耐えられる範囲内で、投資額を決定します。
「急にお金が必要になったらどうするのか?」という不安もあるかもしれません。しかし、不動産などと異なり、投資信託は概ね5営業日程度で現金化が可能です。特定の「色」をつけてロックせずとも、必要になった時に必要な分だけ解約すれば、教育費にも急な出費にも柔軟に対応できます。
結論として、資産運用を複雑にする必要はありません。 銀行の「色分け」という甘い言葉に惑わされず、資産全体を俯瞰して、シンプルで低コストなポートフォリオを維持することこそが、長期的な資産形成の正解だと確信しています。