新NISAの普及により、「オルカン(全世界株式)一本で積み立てるのが正解」という風潮が強まりました。確かに、分散投資とコストの観点からは非常に健全な選択です。
しかし、投資は数十年続く「マラソン」です。理論上の正解が、必ずしも個人のメンタルにとっての正解とは限りません。今回は、管理人が実践している「合理性を超えた、投資を続けるための技術」についてお話しします。
「オルカン」という土台と、心を安定させる「スパイス」
私のメイン戦略は、NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)を活用した「オルカン」の継続的な積み立てです。これは資産形成の揺るぎない土台です。
一方で、私はこれ以外に「日本の商社・銀行ETF」や個別株も保有しています。効率性だけで言えばオルカンに集約すべきかもしれません。しかし、あえてこれらを持つのは、投資を「自分事としての楽しみ」にするためです。
行動ファイナンスで考える「心の錨(アンカリング)」
相場が荒れ、市場全体が停滞期に入ったとき、数字だけのインデックス投資は「ただ資産が減っていく無機質な作業」になりがちです。ここで「投げ売り」を防いでくれるのが、自分が納得して選んだ「思い入れのある銘柄」です。
「この企業は日本のインフラを支えている」「このビジネスモデルなら心中できる」という納得感は、暴落時に市場に踏みとどまるための「心の錨(アンカリング)」となります。
ただし、「思い入れ」だけで動くのは危険です。その錨は、強固なファンダメンタルズ(企業の基礎体力)に裏打ちされている必要があります。
なぜ「日本の商社」なのか? その戦略的価値
例えば、日本を代表する5大商社には、それぞれ明確な強みがあります。
銘柄名(証券コード)と特徴・強み
・住友商事 (8053): 高い配当利回りと、着実な株主還元姿勢。
・三菱商事 (8058): セクターリーダー。圧倒的な事業規模とポートフォリオの分散。
・三井物産 (8031): 資源・エネルギーに強みを持ち、インフレ局面で真価を発揮。
・伊藤忠商事 (8001): 非資源分野(生活消費等)に強く、高い経営効率を誇る。
・丸紅 (8002): 穀物や電力など、人々の生活基盤に密着した事業が堅実。
現在、日本政府が掲げる「成長戦略」において、AI・半導体、核融合、重要鉱物、フードテックなどの「重点投資対象17分野」が示されています。商社はこれらの分野において、官民投資のパイプ役として大きな役割を担っています。
また、日銀の政策転換による「金利のある世界」への回帰は、企業の収益構造をダイレクトに変化させます。国策という「大きな波」に乗っている銘柄を持つことは、暴落時の不安を「未来への期待」に変える力を持っています。
〇結論: 一番の失敗は、市場から退場すること
投資における最大の敵は、暴落そのものではなく、恐怖に負けて「市場から去ってしまうこと」です。
17分野の成長が数十年先の話であっても、金利動向が収益に影響を与えたとしても、大切なのは「自分が信じられる根拠」を持って株式市場に居続けることです。
「合理的なオルカン」で資産を増やし、「納得感のある個別銘柄」で心を守る。
このハイブリッドな姿勢こそが、長く険しい投資の道を完走するための「正しい継続の技術」だと管理人は考えます。
【ご留意事項】
本記事は、管理人の投資体験や個人的な見解を共有することを目的としており、特定の金融商品の購入や売却を勧誘するものではありません。投資には価格変動のリスクがあり、最終的な決定はご自身の判断と責任で行っていただきますようお願いいたします。