こんにちは、管理人の「こみや」です。
毎朝のルーティンである日本経済新聞のチェックをしていると、個人投資家として非常に好ましいニュースが目に飛び込んできました。
「個人向け国債、ネット証券販売4倍超に 若年層が担い手に台頭」
(日本経済新聞 2026年9月8日 朝刊より)
記事によると、主要ネット証券4社の2026年1〜6月における個人向け国債の販売額は5,400億円を超え、前年同期の 4.4倍 に急増しているとのこと。利回りを確実に確保できる安全資産として、若年層を中心に投資家の裾野が広がっているようです。
一方で、大手対面証券では個人向け国債の販売数が減少し、代わりに外債や社債といった「より高利回りな商品」へのシフトが進んでいます。
この対比の裏には、一体どのような構造があるのでしょうか。
「高利回り」という言葉の裏にある、販売サイドの論理
元来、対面証券にとって個人向け国債は、投資の「入り口」として利用されてきた経緯があります。まずは低リスクな国債で口座を開設してもらい、そこから株式や投資信託への移行を促すアプローチです。
しかし今、彼らが外債や社債の提案を強めている背景には、より切実な「思惑」が見え隠れします。
・リスクの非対称性と高い手数料
外債や社債には為替リスクや信用(デフォルト)リスクが伴います。資産形成層の投資家にとってはリスクが大きすぎる場合もありますが、販売サイドにとっては「高い販売手数料」が見込めるというメリットがあります。
その象徴的な例が、現在市場を賑わせている「ソフトバンクグループ株式会社 第70回無担保社債(愛称:福岡ソフトバンクホークスボンド)」です。
・投資期間: 7年
・利率(税引前): 年 4.75%
「年4%超」という驚きの数字を見て、「これは買いでは?」と思わず心が動いた方も多いのではないでしょうか。
しかし、結論から申し上げます。個人投資家であれば、この社債は見送り、「個人向け国債(変動10年)」を選ぶのが最も賢明な判断だと考えます。
なぜ個別社の社債ではなく「個人向け国債(変動10年)」なのか?
特定の1社(この場合はSBG)が発行する社債を買うということは、その会社の業績や財務リスクに自分の資産を集中させることを意味します。本来、高利回り社債(クレジットリスクのある債券)のリスクを抑える唯一の方法は、何百社もの社債に高度に「分散投資」することです。
限られた資金で運用する個人投資家が、あえて単一企業のクレジットリスクを引き受ける必要はありません。
「社債」と「個人向け国債(変動10年)」の特徴を比較してみましょう。

〇「変動10年」が圧倒的に強い3つの理由
1. 金利上昇に追従する
今後さらに国内金利が上昇した場合でも、実勢金利に合わせて半年ごとに適用利率が上昇していきます。
2. 元本保証と最低保証
国が元本を保証しており、仮に金利が低下局面に入ったとしても年0.05%の最低保証が機能します。
3. 抜群の換金性と安全性
発行から1年が経過すれば、直近2回分の各利子(税引前)× 0.79685 を差し引くだけで、いつでも中途換金が可能です。
機関投資家は大量に買うことができない、「個人投資家だけに与えられた無リスク資産の最強カード」が、この個人向け国債(変動10年)なのです。
📝 まとめ:最適解は「低コスト・広分散・放置」と「国債」でのリスク調整
資産形成における最適解は、昔も今も変わりません。
「世界中に分散された株式市場全体に、最低水準の信託報酬で投資し続けること」
NISAやiDeCoを活用し、低コストな全世界株式インデックスファンド(オルカンなど)を毎月コツコツ積み立てる。そして無リスク資産(現金および個人向け国債)で資産全体の危険度(リスク量)を調整したら、あとは余計な売買をせず放置する。
ネット証券で個人向け国債の購入が増えているというニュースは、こうした金融リテラシーを持った「正しい選択ができる個人投資家」が着実に増えている証左と言えます。
高利回りという甘い言葉や販売サイドの都合に惑わされず、シンプルで合理的な資産運用を続けていきましょう。
【関連記事】
「ソフトバンクグループ社債」・「個人向け国債(変動10年)」については、過去の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みいただくことで、より理解が深まります。
👉【2026年9月】ソフトバンクG社債(4.3〜4.9%)は買いか?格付けの「ねじれ」と個人投資家の最適解(2026年9月2日公開記事)
👉【注意喚起】個人向け国債6.1兆円の爆売れ。その「選び方」に潜む金融リテラシーの落とし穴(2026年3月8日公開記事)
👉 個人向け国債の「ネットシフト」が示すもの。販売サイドの思惑に惑わされない投資眼を養う(2026年3月5日公開記事)
【ご留意事項】
本記事は管理人の個人の投資体験および分析プロセスを共有するものであり、特定の投資商品や売買を勧誘・推奨するものではありません。実際の投資判断は、必ずご自身の責任において行われますようお願い申し上げます。